補助金、助成金、給付金・・・何があって、どう申請するの?

新型コロナウイルス関連の補助金・助成金・給付金の報道が続いていますが、自分が申請できるのものがあるのか、どれくらいの金額がもらえるのか、よく分からない事業者の方も多いと思います。

この記事では、補助金・助成金・給付金の違いや一例、申請方法をお伝えします。

申請サポートに携わる行政書士の資格を持つ私が、分かりやすく解説します。

どんな支援があるの?

補助金助成金給付金についての説明

緊急事態宣言への対応として行った店舗の休業費用の補助。自社のテレワーク環境を整備したい、顧客との対面を減らすビジネスに変えたいなど、新型コロナウイルスによる環境の変化に対応する事業を起こす場合の支援など。

企業や事業者向けの支援に、補助金、助成金、給付金といったものがあります。それらの違いを簡単にご説明します。

  • 補助金・・・特定の事業経費の一部が支給される。審査が事業実施の前後にあり、支払いは基本的に事業実施後。経済産業省や地方自治体によるものが多い。「小規模事業者持続化補助金」、「IT導入補助金」、「ものづくり補助金」など。
  • 助成金・・・特定の事業経費の一部が支給される。申請要件を満たして正しく申請すれば、要件に沿った額が支給される可能性が高い。厚生労働省によるものが多い。「雇用調整助成金」、「小学校休業等対応助成金」など。
  • 給付金・・・申請要件を満たして正しく申請すれば要件に沿った額が支給される。「持続化給付金」、「家賃支援給付金」など

補助金、助成金、給付金の一例と申請について

補助金助成金給付金の申請の仕方

いま国は、通常時に用意していた補助金、助成金、給付金に加えて、新型コロナウイルス対策用の支援を用意しています。
その一例と申請方法(2020年6月13日現在)をご紹介します。

※最新の情報については、こちらのページをご覧ください。

「小規模事業者持続化補助金」(コロナ特別対応型)

新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えるため、前向きな投資を行いながら販路開拓等に取り組む小規模事業者等への重点的な支援。
(「持続化給付金」についてはこちら

・補助金の上限、補助率上限額100万円、補助率は以下。
A.サプライチェーンの毀損への対応…2/3
B.非対面型ビジネスモデルへの転換…3/4
C.テレワーク環境の整備…3/4
・申請書類補助金に係る申請書、経営計画書、支援機関確認書、補助金交付申請書など
※概算払いによる即時支給の申請も可能。
・申請方法郵送。商工会または商工会議所へ要相談。
・申請期限次回(第3回):2020年8月7日(金)、第4回:2020年10月2日(金)
「小規模事業者持続化補助金」(一般型)と異なる期限です。
・受給時期事業が完了し、実績報告書を提出した後
・参考日本商工会議所公式HP

「雇用調整助成金」(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用維持を図った場合の休業手当等の一部を助成。

・助成額上限…対象労働者1人1日あたり8,330円
算定は、雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)p.7をご参照ください。
・申請書類申請書、休業協定書、タイムカードの写し、賃金台帳の写し等
・申請方法  労働局またはハローワークに、持参/郵送/電子申請
・申請期限  2020年8月31日まで(申請対象期間の初日が1/24~5/31までの場合の特例)
・受給時期  申請から約1か月       
・参考厚生労働省公式HP   ※ 厚労省が扱う助成金は、社労士の方のご担当業務です。

「持続化給付金」

新型コロナウイルス感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者(中小法人、個人事業者等)に対して給付される、事業の継続、再起の糧として、事業全般に広く使える給付金。

・給付金の上限、給付額の算定法上限額 中小法人等…200万円、個人事業者等…100万円
直前の事業年度(例えば昨年度)の年間事業収入から、(今年の)「対象月」の月間事業収入に12を乗じて得た金額を差し引いたもの
※「対象月」は、2020年1~12月までの間で、事業者が選択した月です。
・申請書類確定申告書類、「対象月」の売上台帳等、通帳の写し、本人確認書の写し(個人事業者の場合)
・申請方法「特別給付金」事務局HPから、電子申請
・申請期限2021年1月15日
・受給時期通常、申請後2週間程度
・参考経済産業省公式HP

都道府県や区などによるもの

日本全国の都道府県や区による補助金助成金給付金

上でご紹介した国による支援のほかに、都道府県や区などによるものもあります。
お住いの都道府県や市区町村のHPをご確認ください。
独自の支援制度を設けていることがあります。

・都道府県

東京都は、公式HPで「新型コロナウイルス感染症 支援情報ナビ」を開設して、どういった支援があるのか、企業向けなのか個人向けなのかなど、分かりやすく調べられるようになっています。
なお、「東京都感染拡大防止協力金」は第2回の申請が開始される予定です。

「東京都感染拡大防止協力金」(第2回)

2020年5月7日から5月25日までの緊急事態措置期間中に都の休業等の要請に全面的に協力した中小企業、個人事業主及びNPO法人等を対象として支給される。
※ 第1回同様、行政書士含む専門家による確認の制度あり(予定)
※ 第1回の受給者も申請可。提出書類が一部省略されます。

・支給額50万円(2事業所以上で100万円)
・申請書協力金申請書、営業実態が確認できる書類(写し)・受付印のある直近の
確定申告書(控)、業種に係る営業に必要な許可を取得していることが分
かる書類(写し)、休業の状況が確認できる書類(写し)、誓約書、本人
確認書類(写し)、口座振替依頼書など
・申請方法専用ページからの電子申請/郵送/持参
・申請受付期間  2020年6月17日(水)~7月17日(金)
・参考東京都感染拡大防止協力金(第2回)特設サイト(準備中)


お隣の千葉県では、千葉県内の事業者向けに「千葉県中小企業再建支援金」を設けています(千葉県公式HP 特設サイト)。

・市区町村

東京都中央区HPでは「新型コロナウイルス感染症に関する主な支援一覧」を掲載しています。
千葉県市川市では、市内にある事業者への給付金を設けています(千葉県市川市公式HP)。

まとめ

今回は、新型コロナウイルス対策に関する補助金・助成金・給付金等について、例を挙げてご説明しました。

早い支援を希望する場合は、申請準備や受給に時間がかかる補助金よりは、まずは給付金・協力金や助成金の申請を検討するのがよさそうです。

今後、6月下旬頃より、事業者の賃料の負担を軽減するための「家賃支援給付金」の受付開始や、「持続化給付金」の対象者の拡大などもあるようです。

新型コロナウイルスでお困りの事業者の方々には、周囲の協力を得ながら、受けられる支援はご活用いただければと思います。