事業者の家賃を支援する給付金の制度について解説します
事業者の家賃を支援してくれる給付金があると聞いているけど、自分は対象になるのかな?
どのように申請したらいいんだろう?
そんな疑問をお持ちではありませんか?この記事を読むと、家賃支援給付金の概要を理解することができます。
給付金申請のサポートをする行政書士の資格をもつ私が、「家賃支援給付金」を中心に解説します。
※こちらは、2020年7月時の記事です。最新の情報については、こちらのページをご覧ください。
家賃支援給付金について
国による「家賃支援給付金」の申請の受付が、先週より始まりました。
新型コロナウイルスに関する政策等の影響によって売上が減少した事業者の方々を支え、地代や家賃などの負担を軽減する制度です。
申請期限は2021年1月15日です。
<対象>
昨年以前から売上があり、今後も事業を継続する意思がある、中堅企業(資本金10億円未満)、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者。
会社以外の法人―医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人なども対象。
<要件>
今年の5月~12月の売上高について、以下のいずれかを満たしていること
・いずれか1か月の売上が前年の同じ月と比べて50%以上減っている
・連続する3か月の売上の合計が前年の同じ期間と比べて30%以上減っている
<給付額>
申請時の直近1か月の支払賃料(月額)に基づき算定した給付額(月額)の6倍。
最大で、法人に600万円、個人事業者に300万円を一括支給。
<給付時期>
「家賃支援給付金」の振り込みを決定した後に、申請者と貸主に、郵便で振り込みの通知書が届きます。
次に、申請の流れや、申請に必要な書類についてみてみましょう。
家賃支援給付金の申請について
申請の流れ
・基本的にはパソコンやスマートフォンから申請します(電子申請)。
「家賃支援給付金」のホームページから「マイページ」を作成して、必要事項を入力・提出して、申請します。
申請の後の受付状況や給付状況は、この「マイページ」から確認できます。
・電子申請がよく分からない場合は、予約した上で、お近くの申請サポート会場(会場検索はこちら)へ行くと、申請の補助をしてもらえます。
申請に必要な書類について、以下でご説明します。
家賃支援給付金サイトのリーフレット(申請手続き概要)を参照しています。
申請に必要な書類(中小法人等)
必要な書類 | 詳細 |
売上が減った月・期間と比較する、すべての事業年度の確定申告書類 | 以下のすべて ・確定申告書別表一の控え(1枚) ・法人事業概況説明書の控え(両面) ※e-Taxで確定申告を行った方は受信通知(1枚)を追加提出 ※書類の種類としては、持続化給付金の申請書類と同じものです。 |
売上が減った月・期間の売上台帳など | 以下のいずれか ・経理ソフトから抽出した売上データ ・表計算ソフト(エクセルなど)で作成した売上のデータ ・手書きの売上台帳のコピー |
賃貸借契約書の写し | ・賃貸借契約書の写し |
直前3か月間の賃料の支払い実績を証明する書類 | ・銀行通帳の、支払い実績がわかる部分の写し(3か月分)など |
給付金の振込をする口座情報 | 以下のすべて ・法人名義の口座通帳の表紙(代表者名義も可) ・法人名義の口座通帳のひらいた1・2ページの両方 |
誓約書 | ・自署(代表者)の誓約書 |
申請に必要な書類(個人事業主等)
必要な書類 | 詳細 |
売上が減った月・期間と比較する、2019年分の確定申告書類 | 以下のすべて ・2019年分の確定申告書別表一の控え(1枚) ・月別売上の記入のある2019年分の所得税青色申告の控え(2枚)(もっている場合) ※e-Taxで確定申告を行った方は受信通知(1枚)を追加提出 ※持続化給付金の申請書類と同じものです。 |
売上が減った月・期間の売上台帳など | 以下のいずれか ・経理ソフトから抽出した売上データ ・表計算ソフト(エクセルなど)で作成した売上のデータ ・手書きの売上台帳のコピー |
賃貸借契約書の写し | ・賃貸借契約書の写し |
直前3か月間の賃料の支払い実績を証明する書類 | ・銀行通帳の、支払い実績がわかる部分の写し(3か月分)など |
給付金の振込をする口座情報 | 以下のすべて ・申請者本人名義の口座通帳の表紙 ・申請者本人名義の口座通帳のひらいた1・2ページの両方 |
本人確認書類の写し | 以下のいずれか ・運転免許証(両面) ・個人番号カード(オモテ面のみ) ・写真付きの住民基本台帳カード(オモテ面のみ) ・在留カード、特別永住者証明書、外国人登録証明書(両面) ・住民票の写しおよびパスポートの両方 ・住民票の写しおよび各種健康保険証の両方 |
誓約書 | ・自署(代表者)の誓約書 |
必要書類や説明書等は、「家賃支援給付金」ホームページから入手できます。
給付額を算定できるエクセルファイルもこちらのページにあります。
申請書類がたくさんありますので、ご不安な場合は、行政書士等の専門家にご相談してもいいかもしれません。
都道府県、区市町村による家賃支援
都道府県や区市町村による家賃支援制度もあります。
都道府県による家賃支援
たとえば、埼玉県、福岡県は、上で述べた国の支援に加えて、月額家賃の15分の1を支給します。
いずれも、国からの「家賃支援給付金」を受給した後に申請を受付ける予定です。
東京都は、国の家賃支援に上乗せをする「東京都家賃等支援給付金」を支給する方針ですが(令和2年度7月補正予算(案))、申請の仕方などはまだ公表されていません。
区市町村による家賃支援
東京都感染拡大防止協力金の支給対象とならない区内中小企業に対して一律30万円の家賃補助を行う制度(東京都江東区)や、1事業者につき4~6月の賃料の3分の2(1月あたり上限額10万円)を助成する制度(千葉県船橋市)などがあります。
J-Net21家賃支援金(都道府県別)で、市区町村による支援の情報を調べられます。
※申請期限が過ぎているもの、申請期限を延長したものなどありますのでご注意ください。
まとめ
今回は、事業者の家賃を支援する給付金について、解説しました。
ポイントを以下にまとめます。
・国による家賃支援給付金の申請受付は来年1月15日まで。
・都道府県による家賃支援の制度も用意されつつあるが、その申請受付は、国の家賃支援給付金の受給を受けた後とするケースがある。
・市区町村でも家賃支援の制度を設けているところがある。
申請書類をしっかり準備して、国や都道府県・市区町村による家賃支援制度を活用しましょう。
なお、新型コロナウイルス関連のその他の補助金・助成金・給付金については、こちらのページもご参照ください。