ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)の13次公募について確認
ものづくり補助金って聞いたことあるけど、製造業のための補助金ではなくて、いろいろな業種から応募できるらしい。
13次公募が始まったけど、応募の条件や補助金額はどうなってる?
そのような疑問に、補助金の申請や採択後の手続きをサポートする行政書士の私がお答えします。
ものづくり補助金の概要
補助金の対象者
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」、通称「ものづくり補助金」は、中小企業者(会社又は個人)を主な対象とする補助金です。
応募が一番多いのは製造業ですが、その他の幅広い業種からも応募されています。
9次から11次の採択率は概ね6割です(ものづくり補助金総合サイト>採択結果より)。
昨今の、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等、国の制度変更への対応を支援することを目的とする補助金です。
革新的なサービスや試作品を開発したり、新たな生産方式を導入したりするための設備投資等を支援してくれます。
そして対象事業や支援内容に合わせて、「型」や「枠」を設けて類型化しています。
一般型には、通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠があります。
他には、グローバル展開型という類型があります。
類型により要件が異なることがありますので注意して公募要領を確認しましょう。
補助金額
もらえる補助金の上限は、従業員数による違いが設けられています。
補助金額の上限
従業員数5人以下:750万円
従業員数6~20人:1,000万円
従業員数21人以上:1,250万円
補助率は、2/3(通常枠及びグローバル展開型の小規模事業者以外は1/2)です。
補助率とは、事業の全費用のうち、どれくらいの割合の補助金をもらえるかというものです。
補助率2/3は、全費用の2/3を補助金でまかなえても、1/3は自社(自身)が負担をするという意味です。
また、補助金は、補助金をもらう前に自社(自身)で全経費を支払った後、審査をパスしてからもらえるものですので、事前の資金準備が必要です。
(補助金・助成金・給付金の違いは、こちらのブログをご参照ください)
次に、補助金の対象となる事業の要件について、確認しましょう。
補助対象事業の要件
事業期間とスケジュール
補助対象の事業期間の確認はとても重要です。
事業の期間内に、発注・納入・検収・支払等のすべての事業の手続きを完了させないと、予定していた補助額を受け取れなくなる可能性が出てきます。
ものづくり補助金で決められている事業期間は「交付決定日から10ヶ月以内」又は「来年(令和5年)12月20日まで」のいずれか早い日までです。
補助金は、申請をして採択されたら、次は交付申請を行い(問題がなければ)ようやく交付決定日を迎え、基本的にはこのあと事業開始となります。
基本要件
また、ものづくり補助金は、以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定していることが求められます。
- 事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率平均3%以上増加させること
- 給与支給総額(非常勤、役員を含む)を年率平均1.5%以上増加させること
- 事業場内で最も低い賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
そして、これら基本要件は、実現に向けて努力し続けなければいけません。
補助事業を完了した事業年度の翌年度以降、一定の目標が達成できていない場合は、補助金の返還が求められることがあるのです。
さて、革新的な事業を展開して、ものづくり補助金をもらいたいと考えたら、応募のための事業計画書の作成です。
審査の加点・減点
事業計画書の申請
ものづくり補助金の申請で一番重要なのは、事業計画書の作成です。
補助事業の具体的取組内容、
将来の展望、
事業計画における付加価値額等の算出根拠
について、計10ページ以内で作成します。
審査されるのは主に次の点についてです。
(1)補助対象事業としての適格性
(2)技術面
(3)事業化面
(4)政策面
そして、さらに、加点項目及び減点項目が示されています。
加点項目
成長性加点
「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」は加点されます。
政策加点
創業から5年以内の事業者や、再生事業者などは加点されます。
災害等加点
「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」は加点されます。
事業継続力強化計画の認定とは、自然災害や感染症への備えを計画書に作成し、経済産業大臣の認定を受けることです。
賃上げ加点等
基本要件を超える給与や賃金のアップを誓約している事業者などは加点されます。
加点される条件の整備を無理のない範囲で検討しましょう。
減点項目
減点項目に注意です。
応募締切日から過去3年間に、類似の補助金(主にものづくり補助金)の交付決定を1回受けている場合は、減点対象となります。
また、過去3年間に、既に2回以上交付決定を受けた事業者は、申請対象外ですので、ご注意ください。
まとめ
今回は、ものづくり補助金について書きました。
ポイントです。
・ものづくり補助金は、製造業以外の事業者からも多く応募されており、9次から11次の採択率は概ね6割です。
・革新的なサービスや試作品を開発したり、新たな生産方式を導入したりするための設備投資等を支援する補助金です。
・応募を決めたら、審査項目、加点項目、減点項目をしっかり確認して、事業計画書を作成します。
13次の応募締切は、令和4年12月22日(木)17時です。
採択発表は、令和5年2月中旬頃とのことです。
事業計画書の作成をサポートする機関や専門家をうまく利用して、必要な補助金を取得しましょう。