定款に定める公告方法はどれを選べばいい?<一般社団法人編>

公告方法について

一般社団法人の定款には、公告の方法を記載しなければいけないとのこと。

官報?日刊新聞紙?電子?掲示板?・・・どれを選んだらいいか分からない。

そのような疑問に、法人設立サポートをする行政書士の私がお答えします。

一般社団法人の公告

公告とは

一般的に「公告」とは、法令に基づき、特定の事項を、文書によって、不特定多数の利害関係人に対して知らせることをいいます。

株式会社や一般社団法人は、貸借対照表や損益計算書等を公告しなければならないことが法律で決められています。(会社法 第440条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第128条など)

この記事では、一般社団法人が行うべき公告およびその方法について説明します。

公告方法

一般社団法人は、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければなりません。

これを、決算公告といいます。

大規模一般社団法人(最終事業年度の負債額の合計が200億円以上である一般社団法人)である場合は、貸借対照表に加え、損益計算書も公告します。


以下から公告の方法を選び、定款に定めます。

1)官報に掲載する方法
2)日刊新聞紙に掲載する方法
3)電子公告
4)主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法


なお、定款に定める際、「官報又は電子公告」というような選択できる記載方法は許されません。(定款記載例参照:日本公証人連合会サイト)


どの方法で公告するかは、定款への絶対的記載事項であり、登記事項でもあります。

よって、法人設立後に、公告方法を変更する場合は、定款および登記の変更をします。


定款の変更は、社員総会の特別決議が必要です。

また、登記の変更(公告方法の変更)には、登録免許税3万円がかかりますので、ご注意ください。


一般社団法人の設立の仕方については、こちらの記事が参考になります。


次に、それぞれの公告方法について見ていきましょう。

公告方法

公告方法

官報に掲載する方法

官報公告は、最寄りの官報販売所または取次所へ申し込みます。

官報に掲載する場合(大規模一般社団法人でない場合)は、貸借対照表の要旨の公告で足りるため、費用は約7.5万円(2枠分)からになるでしょう。

費用がかかることがデメリットですが、公告内容が要旨で良いことや、注目される期間が短いといったメリットがあります。

日刊新聞紙に掲載する方法

日刊新聞紙は、時事に関する事項を掲載しているものであれば、地方紙でも夕刊紙でも可能です。

定款には、日刊新聞紙名も選んで記載しますが、全国紙の場合は「当法人の公告は、東京都において発行する〇〇新聞に掲載する方法により行う。」といったように、発行地も記載して公告範囲を決めておくのがよいでしょう。

日刊新聞紙に掲載する場合(大規模一般社団法人でない場合)も、貸借対照表の要旨の公告で足りるというメリットがありますが、費用は数十万円からと高額になる点がデメリットです。

電子公告

法人のホームページ等に掲載する方法です。  

定款には、「当法人の公告は、電子公告により行う。」と記載しますが、その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合に備え、

「事故その他やむを得ない事由によって前項の電子公告をすることができない場合は、官報に掲載する方法による。」

というように、電子公告以外の予備的公告方法を定めておくこともできます。


公告する場となるホームページのアドレス(URL)は、定款への記載は不要ですが、登記事項であるため、設立登記までにホームページのアドレス(URL)を確定させる必要があります。

電子公告のメリットは、手続きが簡単でホームページ以外の費用がかからないこと(※)です。
※決算公告は電子公告調査は不要のため。

また、デメリットになりうるのは、過去5年分の賃借対照表の全文を公告し続けなければならないということです。

法人の決算内容の詳細を長期間にわたって不特定多数の利害関係人に認識されることが好ましくないと考える場合には、ご注意ください。

どれが正解か…メリット・デメリット

主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法

定款には「当法人の公告は、当法人の主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法により行う。」などと記載します。

不特定多数の利害関係人が確認できる掲示場所を確保できるのであれば、一番安価な方法であるというメリットを享受できます。

また、デメリットになりうるのは、賃借対照表の全文を公告しなければならないことです。


以上、4つの公告方法について、ご説明しました。

それぞれの、メリット・デメリットを確認し、自身の法人に合う公告方法を選択してください。


なお、公告を怠ったり、不正な公告を行ったりした場合は、100万円以下の過料に処される可能性がありますので、ご注意ください。

まとめ

このたびは、一般社団法人の定款に定める公告方法について書きました。

ポイントです。

・一般社団法人は、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告し、不特定多数の利害関係人に決算内容を周知しなければならない。

・どの方法で公告するかは定款の絶対的記載事項であり、かつ登記事項であるため、変更する際は所定の手続きと費用が必要になる。

・公告を怠ったり、不正な公告を行ったりした場合は、100万円以下の過料に処される可能性がある。


どの公告方法を選んだらよいか分からない、その他設立についての不明点がある場合は、法人設立サポートを行っている行政書士などにご相談ください。