妻に家族滞在ビザを取って、日本で一緒に暮らすための申請手続や必要書類は?
夫である自分は就労ビザで日本で働いている。妻を日本に呼んで一緒に生活したい。
妻の家族滞在ビザはどうやってとればいいの?必要な書類は?
この記事をよむと、家族滞在ビザのことが分かります。
ビザの申請サポートができる行政書士の私がお答えします。
家族滞在ビザの申請
家族滞在ビザの申請要件
外国人が、日本で仕事したり、生活したりするには、在留資格が必要です。
出入国在留管理庁(入管、にゅうかん)で、申請します。
夫が就労ビザをもっている場合は、妻は「家族滞在ビザ」を申請できます。
以下のビザをもっている外国人の配偶者が「家族滞在ビザ」を申請できます。
就労ビザ)
「教授」「芸術」「宗教」「報道」「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」
その他)
「文化活動」「留学」
また、夫が妻(「家族滞在ビザ」を申請する人)を扶養することも要件になっています。
つまり、妻を養う経済力が夫にあること、そして妻は日本では経済的に自立していないことです。
なお、「法律上の配偶者」でない、事実婚や内縁の妻では、「家族滞在ビザ」はとれません。
よって、この場合は、「短期滞在ビザ」で日本に来ることになります。
「短期滞在ビザ」は、長くて3か月まで、収入を得る仕事はできないなど、不便なことが多いです。
また、事実婚のまま、「短期滞在ビザ」から「特定活動ビザ」に変更できるケースもあるようですが、個別審査となりますので、認められるかはわかりません。
よって、より確実なのは、本国で「法律上の配偶者」の手続きをしてから、「家族滞在ビザ」を申請することです。
家族滞在ビザの特徴
家族滞在ビザには、次のような特徴があります。
ビザの許可期間
長くて5年まで許可されます。
仕事
「家族滞在ビザ」は、就労ビザではないので、原則、日本で収入を得る仕事はできません。
しかし、入管に申請して、資格外活動許可証をもらえば、1週間のうち28時間以内であれば働くことができます。
ビザの更新や変更
可能です。
たとえば、変更については、「家族滞在ビザ」でフルタイムで1週間のうち28時間を超えて働くことになった場合は、「技術・人文知識・国際ビザ」などの就労ビザに変更できます。
日本で「技術・人文知識・国際ビザ」で働いているのは、経理などの事務職員や、英会話学校などの語学教師、通訳者・翻訳者といった方たちです。
申請のための必要書類
「家族滞在ビザ」で在留資格認定証明書をとるには、以下の書類が必要です。
・在留資格認定証明書の交付申請書:顔写真(縦4cm×横3cm)を貼ります。
・返信用封筒:審査にパスしたら、入管から在留資格認定証明書が送られてきます。
・夫婦であることの証明書
戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書(コピー)、出生証明書(コピー)など
・夫の在留カード または パスポートの写し
・夫の職業や収入の証明書
在職証明書 または 営業許可書のコピー、住民税の証明書と納税証明書
その他にも、入管から提出を求められる場合がありますので、ご注意ください。
ビザ申請手続きの流れ
日本に居る夫が、妻を日本に呼び寄せる手続きについて、説明します。
手続きの流れ
夫は、入管で「在留資格認定証明書」(COE : Certificate of Eligibility)をもらう申請をします。
〈入国予定日の3か月前から申請できます〉
↓
「在留資格認定証明書」をもらったら、外国にいる妻に送ります。
↓
妻は、「在留資格認定証明書」をもって、日本の大使館や領事館に査証(Visa)の申請をします。
↓
査証(Visa)と「在留資格認定証明書」をもって、日本にきます。
入管での手続き
入管は、地方入国管理局やその支局・出張所などたくさんあります。(入管HP)
妻と一緒に住む自宅のある場所を担当する入管に申請します。
申請書の作成は、夫であるあなたや親族が代理ですることができます。
申請書の確認や提出は、申請取次者の資格をもっている行政書士や弁護士に頼むこともできます(費用は確認してください)。
審査期間は、平均2か月かかると言われていますので、申請書類など、早めに準備したほうがよいです。
配偶者ビザについて
条件に合えば、配偶者ビザの申請が可能です。
配偶者ビザについても、「法律上の配偶者」であることが要件になっています。
永住者の配偶者等ビザ
夫が日本で永住ビザ(永住権)をもっている場合、妻は、「永住者の配偶者等ビザ」を申請できます。
日本で収入を得る仕事を自由にできます。
ビザの期間は長くて5年です。
日本人の配偶者等ビザ
夫が帰化して日本国籍をもっている場合、妻は、「日本人の配偶者等ビザ」を申請できます。
日本で収入を得る仕事を自由にできます。
ビザの期間は長くて5年です。
永住ビザと帰化の違いについては、以下の記事が参考になります。
まとめ
今回は、ひとつの例として、「外国人である夫が、同じく外国人である妻を日本に呼び寄せるケース」に関する家族滞在ビザについて、主に書きました。
(もちろん、妻が夫を日本に呼び寄せるケースもあると思います。その場合も手続きは同じです。)
今回の記事のポイントです。
・「家族滞在ビザ」の審査期間は2か月以上かかることがあるので、早めの準備が必要です。
・「日本人の配偶者等ビザ」や「永住者の配偶者等ビザ」という配偶者ビザもあります。
・事実婚や内縁の関係である場合は、原則、家族滞在ビザも配偶者ビザも申請できません。
将来、どこでどのように仕事や生活をしていきたいのかというプランを考えて、ビザについては専門家に聞くなどして、日本での家族との生活の準備をしてください。
また、いまは新型コロナの感染の件で、いつもと異なる書類を求められることがあります。
その点もご注意ください。