短期滞在ビザで日本に滞在するための手続きや注意点について

短期滞在ビザについて

外国人を日本に呼び寄せて、短期間、滞在してもらいたい。

短期滞在ビザの手続きや注意点について、申請取次行政書士の私が説明します。

(※コロナ禍の特例や通常と異なる対応については、この記事では触れません。別途、入管等へご確認ください。)

短期滞在ビザとは

在留資格「短期滞在」(短期滞在ビザ)は、外国人が日本に一時的に滞在して、観光や、親族訪問、短期商用等を行うためのものです。

許可される在留期間は、90日、30日、15日のいずれかです。


入国手続き

外国人が居住する国等の在外公館で短期滞在のビザ(査証)の発給を受け、来日します。

中長期滞在者が必要な、入管が交付する在留資格認定証明書を用意する必要はありません。

招へいされて日本へ来る場合は、招へい理由書を在外公館に提出することがあります。


なお、ビザ(査証)免除国・地域の国・地域のパスポートを保有している方は、原則、短期滞在ビザで認められる活動を行う場合に限り、ビザ(査証)の発給を受けることなく来日・滞在が可能です。


注意事項

報酬の有無

収入を伴う事業を運営したり、報酬を受けたりする活動は、短期滞在ビザでは認められません。

報酬を伴う就労活動をしてしまうと、不法就労に該当します。


活動内容の信ぴょう性

日本で行おうとする活動に、信ぴょう性が認められることが必要です。

経歴、出入国歴、本国での職業の有無、日本滞在中の費用などから判断されます。


滞在予定期間

入国目的に応じた合理的な期間であることが必要です。

特に、1年のうち180日間を超えて滞在することになる場合は、慎重に審査されます。

人道上、真にやむを得ないなどの特別な事情(疾病等)があるかなどに基づき、慎重に審査されます。

認められる活動

ビザで認められる活動について

以下のものが、短期滞在ビザで認められる活動です。

1)観光、娯楽、通過の目的での滞在

2)保養、病気治療の目的での滞在
 90日を超える長期入院は「特定活動(医療滞在)ビザ」になります。

3)競技会、コンテスト等へのアマチュアとしての参加
 プロとして参加する場合は「興行ビザ」になります。

4)友人、知人、親族等の訪問、親善訪問者、冠婚葬祭等への出席

5)工場等の見学、見本市等の視察等

6)教育機関、企業等の行う講習、説明会等への参加
 滞在期間が90日を超える場合は「留学ビザ」や「研修ビザ」等になります。

7)報酬を受けないで講義、講演等を行うこと

8)会議その他の会合への参加

9)日本に出張して業務連絡、商談、契約調印、アフターサービス、宣伝、市場調査、その他のいわゆる短期商用活動

10)日本の大学等の受験や、外国法律事務弁護士となるための承認を受ける等の手続

11)その他、収入を伴う事業を運営したり、報酬を得たりしない活動
 滞在期間が90日を超えるインターンシップ(報酬なし)は「文化活動ビザ」になります。

ビザの更新・変更

更新延長できません


短期滞在ビザの更新

特別な事情がない限り、更新・延長は認められません。

90日、30日、15日といった、決められた滞在期間内に、本国へ戻らなければいけません。


短期滞在ビザから他のビザへ

やむを得ない特別な事情がなければ、短期滞在ビザから他のビザへの変更は認められていません。

短期滞在ビザは、入管による在留資格認定証明書の交付が不要で、比較的容易に入国できるビザであるためです。

よって、他のビザを取得したい場合は、一旦帰国して、在留資格認定証明書の交付を受けて改めて来日するのが一般的です。

まとめ

今回は、短期滞在ビザについて、書きました。

ポイントです。

・短期滞在ビザで日本に滞在しようとする場合は、在外公館でビザ(査証)を申請します。入管に在留資格認定証明書を申請する必要はありません。

・短期滞在ビザでは、原則として、報酬を伴う就労をすることはできません。

・短期滞在ビザは、原則として、特別な事情等がない限り、更新や他のビザへの変更はできません。


外国人を日本に呼んで行ってもらう活動が、短期滞在ビザで認められないものであれば、他のビザを検討しなければいけません。

事前によく調べたり、申請取次行政書士などに相談するなどしてください。