飲食店営業許可ってどこでどうやって取ればいいの?注意点は?

飲食店営業許可申請について説明します


新型コロナウイルスも少しは出口が見えてきたように思うので、夢だったレストラン経営の準備を始めたい。

飲食店の営業許可を取る必要があると聞いたけど、どうやって手続きしたらいいの?

この記事を読むと、飲食店営業許可の取り方がわかります。

許認可の代理申請を扱う行政書士の私がご説明します。

(記事更新:2021年6月4日)

飲食店営業許可

飲食店経営に必要な営業許可

飲食店等を営業する場合には、都道府県知事の許可を得る必要があることが、食品衛生法に定められています。

衛生面など一定の基準を満たしたお店が許可を取得でき、営業することができるようになります。


飲食店営業というのは、食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいいます。

レストラン、カフェ、一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、バーなどの他、喫茶店やサロンでの営業が該当します。

※2021年6月1日から、「喫茶店営業」の業種は、「飲食店営業」に統合されました。

営業許可取得までの流れ

許可取得までの流れ

レストランなどの飲食店の営業許可を取得する手順は、こちらです。

開業計画の立案 → 保健所へ事前相談 → 提出書類作成 → 許可申請 → 施設検査 → 許可証交付

なお、飲食店の営業許可申請の手続きや要件などは、各都道府県によって内容が異なる場合がありますので、ご注意ください。

この記事では、東京都を例にご説明します。


飲食店の営業許可を取得する手順について、少し詳しくご説明します。

開業計画の立案

開業のスケジュールを立てる、資金計画を立てる、事業計画を作成して、ターゲットを決めて売上予測を立てる、といったことが大変重要です。

なお、法人として営業許可を取る場合は、定款の事業目的に「飲食店の経営」などの文言を入れておく必要があります。

また、飲食店の営業許可は、一般的には、申請から交付まで約2~3週間かかります(自治体によって異なります)。


食品衛生責任者の確保

飲食店は、施設ごとに食品衛生責任者を置かなければなりません。

資格(※)を持っている方以外は、食品衛生責任者の養成講習(6時間以上)を受講すれば、食品衛生責任者になることができます。

東京都の場合は、一般社団法人東京都食品衛生協会が担当しています。

講習会はとても人気があり参加者数が限られているため、3か月先まで受講できない場合もあるようです。

早めにご準備ください。

※ 講習会を受けなくても食品衛生責任者になれる資格
栄養士、調理師、製菓衛生師、と畜場法に規定する衛生管理責任者、と畜場法に規定する作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士、食品衛生管理者、食品衛生監視員となることができる資格を有する者

次の手続

保健所への事前相談

許可申請書類の提出先は、営業施設がある地区を管轄する保健所です。

保健所への事前相談は必須です。

施設の工事着工前に、その図面等を持参して、施設基準に合っているかなどを確認します。

・貯水槽使用水(タンク水)や井戸水等を使用する場合、水質検査が必要になります。


提出書類の作成、許可申請

以下の必要書類を施設完成予定日の10日ほど前に保健所に提出します。

営業許可申請書
…営業所の所在地・名称、営業の種類、欠格事項の有無、食品衛生責任者氏名・資格

営業設備の大要・配置図
…営業所の賃貸借契約書を参考にして記述したり、実際の寸法を測って図面を作成したりします。
 時間や手間を省くため、行政書士に依頼することも可能です。

許可申請手数料
…飲食店営業(新規)は、18,300円です。

登記事項証明書(法人のみ)

水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合のみ)

食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)


必要書類と様式一覧は、こちら(東京都の場合)に掲載されています。


施設検査

施設が申請のとおりか、施設基準に合致しているかを保健所に確認されます。

営業者が立ち会います。

施設基準に適合しない場合は、再検査になる場合があります。

施設基準はこちらに掲載されています。


許可証交付

保健所で営業許可書の交付を受けます。

一般的に5~8年の許可期間となります。


営業開始

食品衛生責任者の名札を施設内に掲示します。

営業開始後に、営業許可申請書や営業設備の大要に変更があったときは、変更のあった日から10日以内に変更の届出をしなければいけません。

営業許可期限満了後も引き続き営業される場合は、許可満了日の約1か月前に更新申請手続きをしてください。


営業許可を取得するまでの流れについて、お分かりになりましたでしょうか。

まとめ

今回は、飲食店営業許可の取り方について、東京都の基準を例に、ご説明しました。

ポイントです。

・レストランなどの飲食店の営業許可は、衛生面などの一定の基準を満たしたときに取得できる。

・営業許可の申請先は、営業施設がある地区を管轄する保健所。保健所への事前相談は必須。

・申請手数料は約2万円、申請から許可証交付まで2~3週間が必要。


飲食店営業許可の申請は、行政書士が代わって手続きすることが可能です。

コロナ禍は、役所での手続に通常より時間がかかるケースが多いので、余裕をもった開業スケジュールを立ててください。

食品衛生法の改正を受けて、2021年6月より、新たな「営業の許可制度」が始まりました(参照:東京都福祉保健局サイト)。また、HACCPに沿った衛生管理の実施が求められるようになりましたので、ご注意ください。