いつか来る、親が亡くなる日のことを家族で話しておきましょう

家族で相談しましょう

お盆休みで実家へ帰省するときや、連休を使って親と一緒に旅行するときは、親が亡くなった後のことについて話をする機会です。

親が終活を始めているのであれば、親の話を聞いて、家族で心の準備をしたり、相談に乗るのがいいでしょう。

親が全く終活に関心がない場合は、残された家族が判断に困ったり苦労することが出てくるかもしれません。

親が高齢の場合や高齢になりつつある場合、ご病気がある場合は、亡くなった後のことについて話を始めたいところです。

亡くなる前後のこと

リビングウィル、尊厳死宣言

親が重たい病気やケガで入院することになって、死期が迫ったときに、延命治療をどこまでやるのか。

判断を迫られたとき、親が事前に考えを明確にしておいてくれると、家族の負担は減ります。

医療機関や介護施設が独自のリビング・ウィルの書式を作って、本人に意思を確認しているケースがあります。

尊厳死の希望を表明する尊厳死宣言書を公正証書として公証役場で作成することも可能です。

葬儀、お墓

親がどのような葬儀を希望しているのか、葬儀に誰を呼んでほしいのか。

また、どのお墓に入りたいのか。樹木葬や海洋散骨という選択肢もあります。

親の希望が子どもの想像と違っている場合もあるかもしれません。

親が互助会に入るなど準備を進めている場合もあります。

お墓参りのタイミングでこの話題を取り上げるのがよさそうです。


口頭で聞くだけでなく、エンディングノートに書いておいてもらうのがいいでしょう。

そして、さらに良いのは、遺言をのこしてもらうことです。

遺産とその分け方

どのような財産があるか

親の財産の話は、聞きづらいテーマであることが多いでしょう。

しかし、亡くなって相続が始まった後で、どの銀行口座があるのか、借金の有無など、残された家族で手探りで相続手続きを行うのは、負担が大きく、辛い作業になります。

預貯金や株式、不動産、高価な物・・・残高や価値などの詳細が聞きづらくても、有無くらいは聞いておけるといいと思います。

ただし、借金の有無は必ず聞いておくのがいいでしょう。

子どもが多額の借金を相続してしまう危険もあります。

借金を清算をしたらマイナスになるようであれば、相続放棄という方法もあります。

どのように分けたいか

親が亡くなった後、遺言がない場合は、遺産の分け方を相続人で協議します。

相続人が複数いる場合は、相続人全員で協議しなければいけないので、縁遠い相続人や高齢の相続人と連絡を取らなければならない場合もあるかもしれません。

遺産の分け方で相続人の間でもめないとは限りません。

こうした遺族の負担を減らすためにも、親は遺言を作っておくのがよいでしょう。

親自身が、自分の財産の何を誰に渡したいのか遺言で意思表示しておけば、遺族は親の遺志が分かり、争いになりにくくなります。

なお、公正証書遺言は、公証人に遺言の形式や内容を確認してもらえるので、相続手続の時に争いが起こりにくい遺言なので、お勧めします。

注意すること

認知症について

認知症になり意思能力が欠如しているときに作成した遺言書は、法的に有効となりません。

親がすでに重い認知症にかかっている場合は、注意してください。

まとめ

今回は、お盆休みなどの長期の休暇中に、親に聞いておきたい、親が亡くなった後のことを中心に書きました。

ポイントです。

・親が亡くなる前後のこと―リビングウィル(尊厳死宣言書)や葬儀、お墓など―について、親にエンディングノートなどの書面に残しておいてもらうのがよいでしょう。

・相続手続きが必要になるので、どのような財産があるのか、借金はないのかについて、できる範囲で親に教えてもらいましょう。

・親の元気なうちに公正証書遺言を作成してもらい、相続手続きが始まってから遺族が争ったりしないようにしてもらうのがベストです。


人は皆いつか亡くなります。親が亡くなった後、残された子どもが仕事をしながら相続手続きに苦労するのは、親も子も避けたいはずです。

今回の記事を参考に、無理をしない範囲で、親子で話し合ってみていただければと思います。